旧東ドイツのブレイクダンスブーム『ブレイク・ビーターズ』の情報詳細

社会主義時代の旧東ドイツで起こったという、ブレイクダンスブーム。
このダンスによって自由を見出そうとした若者を描いたのが、この『ブレイク・ビーターズ』です。
そんな実際にあった現象をモチーフにした青春映画について、取り上げてみました。
『ブレイク・ビーターズ』のあらすじ
冷戦下の1985年の東ドイツが舞台です。
主人公であるフランクは、テレビで見たブレイクダンスに関心を寄せます。
影響を受けた彼は、友人たちとダンスをすることに夢中になっていきました。
やがて、フランクだけにとどまらず、おおぜいの若者たちが、次第にダンスにのめり込んでいきます。
しかしそんな現象にいら立っていたのが社会主義政権でした。
ダンスは自由主義圏であるアメリカ発祥のものだったからです。
やがて政府はダンスに溺れていく若者たちの検挙に動き出します。
ついにはフランクも逮捕されてしまうことに。
それでもまったく下火にならないブレイクダンスブーム……。
ついには政府もこれに折れて、フランクが牽引するダンスチームを芸術として認めるに至りますが……。
キャストについて
『ブレイク・ビーターズ』のキャストをみるうえで興味深いのは、実際にダンス経験がある人物が、おもだったキャストを占めているということです!こうしたキャスティングが、本作をより深みのあるものにしているのは言うまでもありません。
主人公のフランクを演じるゴードン・ケメラーさんや、アレックスを演じるオリバー・コニエツニーさんが、まずは挙げられます。
ほかにもまだまだいます。
マティを演じるゾーニャ・ゲルハルトさん、ミヒェルを演じるセバスチャン・イェーガーさんも忘れてはなりません。
セバスチャン・イェーガーさんはなんとドイツのBBOYのレジェンド!!BBOY KillaSebiとしてブレイクダンスの世界ではかなり有名な方なんです。そんなBBOY KillaSebiさんのダンスはこちら
『ブレイク・ビーターズ』の監督を務めるのは、ヤン・マルティン・シャルフ監督です。
1980年代の社会主義政権下の東ドイツで巻き起こった“ブレイクダンス”ブームについて
『ブレイク・ビーターズ』以前にも、実は画期的なダンス映画というものがありました。
それは、『ブレイク・ビーターズ』の舞台となる1985年の1年前である1984年のこと。
アメリカの『ビート・ストリート』という映画でした。
ヒップホップ流行の嚆矢ともなったこの映画は、東ドイツにおいても公開されていました。
これは当時の東ドイツ国民に多大な影響を与えたと言われ、ダンスをする国民も大勢現れました。
あまりにも若者たちの勢いが強くなったため、政府は革命になるのではないかと危惧しだして、ダンスを禁止してしまいました。
『ブレイク・ビーターズ』の内容とまったく同じで、逮捕された人もたくさんいたようです……。
とうとう政府もダンスを認めますが、自分たちの統制下に置くという対応で、ダンスを踊る国民にとっては、期待外れなものでした。
映画の評価、公開日など
実際に1980年代の社会主義の東ドイツで流行したという、ブレイクダンス。
これに興じるフランクら若者たちと、それを自分たちのもとに置こうとする政府の思惑が交錯……。
『ブレイク・ビーターズ』は、いわば、青春映画であると同時に、政治的な内容でもあるのです。
ダンス好きな方にも、特にそうではないという方にも、意義深い作品といえるでしょう。
そんな『ブレイク・ビーターズ』は、2016年6月25日、いよいよ公開となります!
すでに海外では様々な映画賞を受賞したり、ノミネートされてもいます。
まとめ
ブレイクダンスという若者向けのカルチャーをメインに、政治問題も描き出す……。
『ブレイク・ビーターズ』は、かなり多様な層を魅せてくれそうな映画ですね。
ブレイクダンスも東ドイツ史も双方味わえる、すぐれた一作です。
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